孤独な少女、こはるは、ある日見ず知らずの男に告げられる。
「あと五回、桜の季節がやってきたら、空から迎えの船が来る。その船に乗りなさい。そうすればおまえは、孤独から解放される —」
それから五年。
男の言葉通り、こはるの元に『ノルン』と名付けられた空を飛ぶ球体の船が訪れる。
既にノルンには、明るい中にも不思議と陰のある青年、結賀駆をはじめとする
10人の男女が乗船していた。
絶対的な権力を持つ組織、『世界』からの招集状により、
行先も、目的も知らされないまま強制的にノルンに乗せられた11人の共通点は、
人智を超えた不思議な能力を持つ、『能力者』であること。
他人同士だった彼らは、旅を通し、様々な事件を共に乗り越え、
少しずつ距離を縮め、いつしか家族のような絆を結んでいく。
そしてついに、彼らが集められた本当の理由が明かされる。
彼ら『能力者』に課せられた、想像を絶する過酷な使命が—